
プラス、「ORGATEC TOKYO Awards」で「準グランプリ」を受賞 https://www.plus.co.jp/news/202506/d1yd20zqjpuf/
2025年6月3日(火)~5日(木)、東京ビックサイトで行われた『オルガテック東京』に出展いたしました。期間中は、たくさんのご来場ありがとうございました。
プラスは昨年同様「my イゴコチメイキング」を展示コンセプトとし、自分にとってぴったりの“イゴコチ”を見つけ出すためのさまざまな体験コンテンツを通じて、 “イゴコチ”のよさを実現するプラスの空間・モノづくりを体感いただける“イゴコチファクトリー”をブース内で展開しました。
また、各コーナーで来訪者に自身のオフィス環境について考えていただく体験型コンテンツの展開と、そのコンセプトを反映した意匠性の高いブースづくりなどが評価され、優れたブースデザインとモノづくりに贈られる「ORGATEC TOKYO Awards」の「準グランプリ」を昨年に引き続き2年連続で受賞することができました。
一方で、昨今、サステナビリティの観点から、イベントの会期中という短期間のためにブースを製作~廃棄してしまうことの是非が問われ続けています。そこでプラスブースでは、2023年より展示会終了後にブースのリユース&リサイクルを行っています。
本記事では、造作物やカーペットなどブースを構成した構造物たちがどのようにリサイクルされたのか、ブースのゆくえをご紹介いたします。

MRS(マテリアルリバースシステム)とは?
今回、ブースのリサイクルを行うにあたって、プラスが以前より取り組んでいるMRS(マテリアルリバースシステム)の連携先である、株式会社ナカダイさまにご協力をいただきました。
MRSとは、全国のリサイクルショップを会員としてオークションを実施し、不要となった家具廃棄量の削減を図るものです。
オフィスの移転やリニューアルの際に不要となる家具を、環境に配慮したかたちで処分できる仕組みで、廃棄コストの削減と環境負荷の軽減、双方を実現します。詳しくはこちら>>
展示会終了後のブースのゆくえ
◆会期中のブース




◆閉会後の解体のようす
ブースを解体し、各部材ごとに大まかに仕分けていきます。


木製造作物




リサイクルには回さずにそのままリユースするもの(投票用色鉛筆)
解体完了後、部材ごとに分けてトラックへ積み込みます


◆各素材ごとに、それぞれマテリアルリサイクル/サーマルリサイクル/焼却後の燃え殻リサイクル


木製造作物は、ユンボで小さくしたのちに破砕機で木質チップへサーマルリサイクル。バイオマス燃料として製紙工場などで需要があります。

金物(ブース内で梁を支えていた支柱)は有価物として出荷、再生金属の原料としてマテリアルリサイクルされます。


セメントを固めた装飾付きの木製造作物は焼却処分し、燃えがらは路盤材(道路の舗装の下に敷かれる材料)にリサイクルされました。

今回使用したカーペットは塩素濃度が非常に高く、処理会社の固形燃料製造設備や、固形燃料化したとしてもそれを使用するメーカーの設備(炉)を傷めるため、特別な焼却メーカーで焼却処分し燃えがらは路盤材やセメント原料としてリサイクルされました。
◆リサイクル実績について

今年もリサイクル率100%を達成しました。
60%がサーマルリサイクル/0.7%がマテリアルリサイクル/39.2%が焼却後リサイクル処理にて再資源化されています。
環境貢献度合いの高いマテリアルリサイクルの比率を上げることを目標としていましたが、金属の使用が少なかったことで0.7%となりました。セメントが装飾された木材部分と塩素濃度の高い床材が焼却後リサイクルとなり39.2%となりましたが、大部分の木製造作物は適切にサーマルリサイクルされ60.0%でした。
ブース構造物を解体や分別をせずに全て単純焼却した場合のCO2排出量は7,592kgとなりますが、2023年度から取組んでいる解体/分別廃棄により2025年度の廃棄によるCO2排出量は2,977kgでした。
およそ60%のCO2排出量を削減できたことになります。
◆(参考)2023年、2024年のリサイクル結果


◆今後のリサイクル目標について
今回のリサイクル結果における振り返りとして
・木製造作物一つ当たりに対し、できる限り単一素材での制作を目指す
→サーマルリサイクルしにくい素材を木製部材と一体化させないことを考慮するため。
・カーペット選定の際、“塩素濃度”を採用基準の一つとして検討する
→塩素濃度の高さによっては焼却炉を傷める恐れがあり、サーマルリサイクルへ回せなくなるため。
・アクリルや金物などマテリアルリサイクルへ回せる素材は特に、解体・選別しやすい加工を心掛ける
→単一素材にできないことでマテリアルリサイクルへ回せなくなるため
上記のような改善点が挙げられます。
2023年より開始した展示ブースのリサイクル活動も今年で3回目となりました。
展示コンセプトに合わせ、毎年様々なアプローチでブースづくりやデザイン、素材の選定をイチから行っています。そのため、採用する素材、造作物などの物量、部材同士の加工の仕方など、様々な側面からリサイクルを考えるきっかけとなり、結果として毎年多くの知見を得ることができています。
廃棄物を減らす工夫、解体時を見据えた設計や加工など、今回得られた知見や経験を来年度以降のブース制作や素材選定にも生かしていきたいと考えています。
プラス ファニチャーカンパニーでは、今後もサステナビリティの観点から、素材選定・制作・廃棄の工程において環境負荷軽減を実現するブースづくり、および製品開発を目指してまいります。