群馬県前橋市の赤城山の麓に位置するプラス前橋工場を核とする産業複合施設「プラスランド」は、森林、緑地、水辺に囲まれた緑豊かな自然が広がった約14万坪の敷地を有しています。
そのプラスランド内には、地元住民の方々の身近な存在でもある一級河川の神沢川(かんざわがわ)が流れています。
プラスランド全景
私たちプラスは、神沢川やその周辺の緑豊かな自然環境を守るため、地元自治体・自治会の皆さまにもご協力いただきながら、前橋工場スタッフを中心に1993年から毎年神沢川や工場外周の清掃活動を実施しています。
「自然と人との共生」をコンセプトに地域の方々と共に28年間継続的に取り組んでいる神沢川清掃。
その歴史ある清掃活動の第1回から清掃活動に参加しているプラス社員の齊藤 慎也 氏に、これまでの活動についてインタビューを行いました。
プラス株式会社 経営管理本部 管理部 齊藤慎也
工場敷地内を流れる神沢川の環境保全と社員や地域の方々が参加する清掃活動
●まず、神沢川清掃の取組みについて教えてください。
齊藤:プラスランド竣工の2年後である、1993年から神沢川清掃がスタートし、昨年で28回目を迎えました。
当社役員をはじめ、工場に勤務する社員や東京・その他各事業所に勤務する社員を含む約250名が毎年参加しております。
その中には、地元自治体・自治会の方々などの地域の皆さまにもご協力をいただいております。
清掃作業は、工場敷地内を流れる1.2kmと敷地外の上・下約1kmの流域及び前橋工場外周を対象に実施し、空き缶、ビニール、発泡スチロール等のごみを分別収集しています。
神沢川清掃の様子
※2020年・2021年は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、感染予防対策を徹底し、社員の安全を確保したうえで規模を縮小して実施。
緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰受賞
※神沢川清掃活動をはじめとする様々な環境保全推進の取組みが評価され、2007年工場緑化の国内最高の栄誉である「緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞。
●ご自身もプラスランドの近隣で生まれ育ち、幼少期より神沢川に親しみがあったと思いますが、地域住民の方からみた神沢川はどんな存在でしょうか。
齊藤:神沢川は地域住民にとって、大切な河川です。昔から田んぼの用水に利用しておりますし、地域の子供たちの遊び場にもなっておりました。
私も小学生の頃、地元の友達と神沢川へ探検に行ったり、川辺で遊んだ思い出があります。
今でも時々、川辺に行く機会があります。
川のせせらぎが聞こえる緑に囲まれた自然環境は、日常生活を忘れてしまいそうな空間で、私にとって癒しの場所でもあります。
訪れる人を癒やす神沢川の風景
●前橋工場に入社され、第1回から神沢川清掃活動に参加されていますが、スタート当初の様子はいかがだったでしょうか。
齊藤:今でこそ、きれいな川になっておりますが、当時は実はあまりきれいな川ではなかったので、「あの川を掃除するのか」っていうのが正直な感想でした。
いざ実際に掃除をしてみると、思っていた以上にごみがたくさん捨てられている状況でしたので、とても驚いたのを今でも覚えています。
冷蔵庫、洗濯機、自転車や車のタイヤなどの粗大ごみまでが、川岸に捨てられていました。
当時、捨てられていた粗大ごみを参加者で全て回収したのですが、予定していたトラックの積み込みでは間に合わない程のごみが集まり、大変だった記憶があります。
当時の神沢川清掃の様子
●その後、清掃を続けていき、神沢川周辺の状況はどのように変化していきましたか。
齊藤:数年は、初回の清掃と同じような状況が続きましたが、10回目頃から徐々にごみの量が少なくなっていきました。
それ以降は回を重ねる毎に神沢川がきれいになっていく事が感じられ、清掃中にサワガニなどの生物も多くみられるようになっていきました。
現在では、大型のごみの不法投棄はなくなり、ごみの量は格段に減り、以前よりもきれいな川になりました。
神沢川の清掃中に見つけたサワガニ。
サワガニは水質の良い水辺でしか生息できない。
齊藤:地道な清掃活動でしたが、毎年継続的に実施していくことで、地元の新聞で取り上げていただいたり、近隣の自治会の方々にも参加していただきました。
結果的にプラスの神沢川清掃活動を、地域の方々に広く知っていただけるようになり、地域全体の環境美化意識にも繋がったのではないかと思います。
●清掃活動以外に実施していることはありますか。
齊藤:神沢川清掃とあわせて、当日ご参加いただく地元自治体・自治会の方々など地域の皆さまに、前橋工場が行っている環境への取組みやモノづくりを知っていただくため、前橋工場の概要のご説明と工場見学を実施しています。
このような地域の皆さまとのコミュニケーションの場も、地域社会との交流を深める貴重な機会となっております。
地域の皆様を対象にした工場見学会
●齊藤さんの考える神沢川清掃の意義を教えて下さい。
齊藤:神沢川清掃の意義としては、まず、地域の皆さまと一緒に清掃活動を行い、地域について考えることで一体感が生まれ、地域との絆を深められることではないでしょうか。
また、毎年実施することで、環境保全に対する意識を思い出すきっかけとなる大事な活動となっております。
社内においては、環境美化活動を実施することで、地域や自然との共生への意識が高まり、プラスランド内はもちろん、地域の環境美化や保護にも繋がる社員教育の場にもなっています。
●これからの神沢川清掃活動で取り組んでいきたい事を教えてください。
齊藤:残念ながらここ2年間は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、規模を縮小して開催をしています。
世の中が落ち着きを取り戻し、以前のような規模での開催ができる状況を早く迎えられることを願っております。
2021年までの28年間、毎年継続的に神沢川清掃を実施しておりますので、この先50年、100年と続けていけるような活動にしていきたいと思います。
そのために、地域の方にもっと広く参加していただけるようなイベントにし、より地域に根ざした活動にしていきたいと考えております。
例えば、社員の家族や地域の子供たちにも参加していただき、工場見学とともに神沢川清掃を体験してもらうことで、子供たちの環境教育の場にもできたらと。
今後は、神沢川清掃をきっかけに、地域の活動にも積極的に参加し、地域社会との繋がりをさらに深めていきたいと思います。
プラスは、今後もプラスランドのコンセプトである「自然と人の共生」や「地域コミュニケーション」を推進し、社員が地域社会の一員として、神沢川の清掃活動をはじめとした地域に根ざした活動を積極的に行ってまいります。