
プラスファニチャーカンパニーでは、従業員エンゲージメントを向上させるオフィス空間づくりの考え方として「イゴコチメイキング」(※)をご提案しています。本記事では東京オフィス「PLUS DESIGN CROSS」での実践を踏まえ、「イゴコチメイキング」の有効な方法をご紹介します。
※「イゴコチメイキング」とは
物理的な機能性と社会的なつながりの両面を整え、ワーカーの求めるイゴコチに寄り添うオフィス空間づくりの考え方です。家具の使い心地や空間の印象だけでなく、相手との関係性や自分の状況に応じた自然な交流を促すことで、個々のベストを引き出しみんなのシナジーを起こします。詳しくはコチラ>>
コミュニケーションスポットを設けただけでは、雑談はうまれにくい
社内交流の活性化を目的に、オフィスにコミュニケーションスポットの導入を検討する企業は少なくありません。私たちは、組織や年代を越えたつながりを生むきっかけとして、オフィスで交わされる「雑談」に着目し、さまざまな検証を重ねてきました。その中で見えてきたのは、スペースを用意するだけでは雑談は自然に増えないということ。人が立ち寄り、声をかけて雑談をするには、行動を後押しする「仕掛け」が欠かせません。
本コラムでは、プラスファニチャーカンパニーの東京オフィス「PLUS DESIGN CROSS」での実践をもとに、雑談の活性化に有効な仕掛けのアイデアをいくつかご紹介します。
人が滞在する仕掛け
私たちが最初に取り組んだのは、文房具やモバイルバッテリーなどの共有備品、新聞や業界紙といった閲覧物を設置し、人が立ち寄るきっかけをつくることでした。しかし机上に物が増えるにつれて雑然とし、次第に物置のような状態になってしまうという、想定外の課題が見えてきました。立ち寄る人は増えたものの、用事を済ませるとすぐに離れてしまい、滞在や雑談にはつながりにくかったのです。
この経験から、雑談を生むためには「人が集まる仕掛け」だけでなく「人が滞在する仕掛け」も欠かせないと気づきました。打ち合わせ前後のタッチダウン利用や、立ち話程度のライトなミーティング、リフレッシュ休憩など、使い道を限定しない多目的な場とすることで、数分〜30分程度の滞在が自然と生まれます。そのためには、整理された机上と気軽に腰かけられるスツールの設置が有効でした。

雑談を促す仕掛け
多目的に使える場であるだけでは交流は生まれにくいため、雑談を後押しする仕掛けが必要になります。そのひとつとして有効だったのが、コーヒーやおやつの設置です。ただし、目的は飲食の提供ではありません。軽く飲食を共にすることで仕事中とは異なる空気が生まれ、自然と心の距離が縮まり、本音での会話につながることを狙っています。
そこで私たちは、個包装に複数枚入りのお菓子を用意し、2人以上で利用する場合に業務時間内でもその場でシェアして食べていいというルール付きの「シェアおやつ」として運用しました。この工夫によって声をかけ合うきっかけが生まれ、「自由に会話をしていい場」という認識も社内に広がっていきました。
導入後はこのスペースでの雑談が目に見えて増えました。一時的な盛り上がりで終わることなく、数ヶ月が経過しても雑談の場として定着しています。




雑談は設計できる
雑談は、自然発生を待つものではなく、場のつくり方や使い方によって育てていくものです。
コミュニケーションスポットの設置に加え、「立ち寄りやすさ」「滞在しやすさ」「会話を始めやすいきっかけ」の小さな工夫を積み重ねることで、部署や立場を越えた何気ない会話が生まれ、オフィスの中に新しいつながりが育っていきます。
働く人の関係性を支えるために、雑談が生まれやすい環境を整えること。その視点が、これからのオフィスづくりを考えるうえでの重要なヒントになるはずです。
社内での検証の様子より。飲食をともにしながら雑談が生まれている場面。
オフィス見学ツアーがおすすめ

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