金融業・保険業のオフィスレイアウトの特徴やコツ、事例を紹介

金融業・保険業のオフィスレイアウトの特徴は、情報セキュリティや信頼感の体現、来客動線が重要です。規制対応や採用力強化も含め、業種別の設計のコツと事例を解説します。
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この記事でわかること

  • 機密保持と信頼感を両立する、金融業・保険業のオフィスづくりの共通要件
  • 法規制のクリアや成約率向上を果たす、業種別の具体的な空間設計マニュアル
  • 情報漏洩や閉塞感のリスクを回避し、採用力とブランドを高めるレイアウト術

金融業・保険業のオフィスには、顧客に信頼感と安心感を与える空間づくりや個人情報・機密情報を守るセキュリティ設計、法規制に準拠した運営体制を支える機能性が同時に求められます。オフィスレイアウトを変更する場合には、金融業、保険業それぞれの特徴やコツを押さえておくことが大切です。

この記事では、金融業・保険業のオフィスレイアウトの特徴、業種別の設計のコツ、失敗しないためのコツを、事例とともに解説します。

金融業・保険業のオフィスレイアウトに共通する特徴

金融業・保険業のオフィスは、厳格なセキュリティやプライバシーへの配慮、ペーパーレス化といったデジタルシフトへの対応が強く求められる環境です。また、これまでの「お堅いイメージ」を刷新し、クリーンで先進的な空間に整えることは、顧客からの信頼獲得だけでなく、優秀な若手人材を惹きつける採用力強化にも直結します。

金融業・保険業のオフィスリニューアルに取り入れたい、共通する特徴は以下のとおりです。

■金融業・保険業のオフィスレイアウトに共通する特徴

金融業・保険業のオフィスレイアウトに共通する特徴

個人情報・機密情報を守る情報セキュリティゾーニング

金融業・保険業のオフィスレイアウトは、来客エリアと執務エリアの明確な分離、入退室管理システムの導入、個室・半個室の防音設計、のぞき見防止フィルターの設置など、物理的な安全管理措置をオフィス設計に組み込む必要があります。金融業・保険業は、顧客の資産状況・契約内容・個人情報など機密性の高い情報を扱うため、オフィス設計の段階から情報管理を組み込むことが、コンプライアンス対応の第一歩といえるでしょう。

また、金融商品取引業においては、金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」にもとづき、業務の独立性と情報管理を担保するための施設・設備要件が求められます。具体的には、他社と明確に区分され、施錠管理ができる「独立した専用区画(事務室)」の確保や「セキュリティが担保された専用の通信環境」が登録要件として定められています。そのため、オフィス選定・設計の段階でこれらの要件を満たす計画性が欠かせません。

信頼感・安心感を伝えるエントランス・応接設計

来客が最初に目にするエントランスと応接スペースでは、空間の質感やカラー、ライティングによって「企業の健全性と誠実さ」を視覚的に表現することが大切です。

具体的には、エントランスには落ち着きのある木目や上質な石目を基調とした素材を選び、コーポレートカラーを効果的に配することで、企業の安定感とアイデンティティをアピールします。また、応接スペースは、手元が暗くならない適切なタスク照明を配し、プライバシーに配慮した重厚感のあるパーテーションや防音壁を設置しましょう。「ここなら大切な資産の相談を任せられる」と顧客が直感的に確信できる、静謐(せいひつ)で洗練された空間づくりが求められます。

対面相談・電話対応を支える防音・遮音設計

金融業・保険業の執務環境は、個室相談ブース・防音パーテーション・吸音パネルなどを組み合わせ、周囲の雑音に惑わされず、かつ情報漏えいを防ぐ機密性の高い空間を維持することが重要です。顧客との個別相談・電話応対・コンプライアンス協議など、音が漏れてはならない会話が日常的に発生するため、例えば隣室の会話が聞こえる環境では、顧客を不安にさせてしまい、信頼関係の毀損につながりかねません。

防音工事は設計段階で遮音性能の基準を設け、壁・床・天井・ドアを一体で計画することがコスト最適化のカギとなります。

業種別オフィスレイアウトのコツ

ここからは、金融業と保険業、それぞれの業務特性に合わせて設計する際のコツを紹介します。オフィスレイアウトの変更やオフィス移転を予定している担当者さまは、参考にしてください。

<業種別オフィスレイアウトのコツ>

  • 金融業:規制対応と情報管理を担保する専用区画設計
  • 保険業:来客→相談→契約の動線を支える応接設計

金融業:規制対応と情報管理を担保する専用区画設計

金融業のオフィスでは、関連法規やガイドラインが定める「物理的安全管理措置」を遵守することが不可欠です。なかでも証券・投資運用業などの金融商品取引業は規制が厳しく、監督官庁による登録審査や実地調査の対象となるため、オフィス選定・設計の段階から厳格な計画性が求められます。

特に、投資信託や証券、FXなどを扱う金融商品取引業者には、金融庁の監督指針にもとづき他社と明確に区別され、施錠管理ができる「独立した専用区画(事務室)」の確保や、機密性の高い専用の通信環境が求められます。そのため、シェアオフィスやコワーキングスペースのみでの業務は認められていません。また、社内における情報管理も重要です。インサイダー取引や利益相反を防ぐため、「コンプライアンス部門」「営業部門」「管理部門」の動線を適切に分けるなど、部門間のファイアウォールを空間設計に取り入れましょう。

保険業:来客→相談→契約の動線を支える応接設計

保険業のオフィスでは、顧客が来訪してから契約手続きを終えて退出するまでの一連の動線を、心理的な安心感とともに設計することが重要です。顧客の来訪に合わせた、受付から待合、個室相談室、記名スペースへと続く一方向の動線設計が、心理的安心感を高めます。相談室は防音・鍵付きを基本とし、プライバシーが守られる環境を視覚的にも伝える設計が信頼獲得につながります。

通路はなるべく一直線、フロアは正方形や長方形を基本とし、案内サインも整備して迷わせない空間づくりを心掛けましょう。

金融業・保険業ならではのレイアウト上の注意点

金融業や保険業特有の法規制やセキュリティ要件をオフィス設計段階で見落とすと、「重大な情報漏えいリスク」や「業務効率の低下」、さらには「人材採用・定着への悪影響」を招くおそれがあります。新しくオフィスを設計する場合は、以下の点に注意が必要です。

<金融業・保険業ならではのレイアウト上の注意点>

  • 来客動線と執務ゾーンの混在によるセキュリティリスク
  • フリーアドレス導入時の情報管理

来客動線と執務ゾーンの混在によるセキュリティリスク

金融業や保険業では、来客動線と執務動線が交差するようなレイアウトにしてしまうと、PC画面やデスク上の重要書類が第三者の目に触れる可能性があります

そのため、法的リスク管理の観点から、受付や待合、相談室を「来客ゾーン」として独立させ、執務ゾーンとの動線が交差しない平面計画を設計初期から組み込むことが欠かせません。防音性と施錠管理ができる完全個室を基本とし、来客者が執務エリア内を視認・通過できない動線を確実に確保することが求められます。

フリーアドレス導入時の情報管理

金融業・保険業においてフリーアドレスを導入する際は、設計だけでなく運用ルールとセットで計画することが必要です。情報管理に対する規制が厳しい業種であることを意識したオフィスレイアウトを取り入れましょう。

例えば、鍵付きパーソナルロッカーの設置やペーパーレス化、プライバシーフィルターの全端末適用など、情報管理ルールの整備をオフィス設計と一体で進めることが欠かせません。金融商品取引業の登録審査では配席図の提出も求められるため、フリーアドレス導入の場合はその旨を事前に設計会社・専門家に確認しておきましょう。

プラスが手掛けた金融業・保険業のオフィスレイアウトの事例

ここからは、オフィスづくりのプロ・プラスが手掛けた金融業・保険業のオフィスリニューアルや移転事例を紹介します。各業界ならではの工夫やアイディアを、ぜひご覧ください。

【約820平方メートル】社内外にオープンでウェルビーイングな空間を作った株式会社山陰合同銀行 様

入居人数約50名
延べ床面積約820平方メートル
業界・業種金融業

東京支店・オフィスをリニューアル移転するプロジェクトでは、眺望のよい入居フロアの特性を活かし、透け感と空間の抜けを意識したオフィスレイアウトを採用。店舗とエントランス、フリーラウンジでは、サーカディアンリズム照明を取り入れ、1日の流れを自然に体感でき、印象が変わりゆく空間となりました。社内外にオープンでウェルビーイングな空間をつくりたいとの希望を実現したオフィスです。

詳しくは、こちらのページをご覧ください。

お客様も社員も大切に。風通しの良いオープンな空間。|株式会社山陰合同銀行 様

【約900平方メートル】多様なワークスタイルに対応できるゾーニングを実現したセゾン投信株式会社 様

入居人数約150名
延べ床面積約900平方メートル
業界・業種金融業

従業員増員に伴い、執務エリアと会議室エリアを増床した同社のオフィスリニューアル計画。さまざまなスタイルの席を配置し、多様なワークスタイルに対応できるゾーニングを実現しました。社内コミュニケーションの活性化とリモートワークや集中作業といった柔軟な働き方を両立させることを目的としています。

詳しくは、こちらのページをご覧ください。

信頼と安心、その先のパフォーマンスへ|セゾン投信株式会社 様

【約450平方メートル】事業連携を強化するオフィスをつくった株式会社クレディセゾン 様 福岡グループ拠点

入居人数約40名
延べ床面積約450平方メートル
業界・業種金融業

グループ企業2社の事業連携を強化するため、オフィス移転を実施。事業連携の強化のほか、価値観の融合、グループブランディング、クリエイティブシンキングの実現を目指しました。共用スペースでは、執務や打ち合わせ、イベント、セミナーなどを行うことで各社間の交流機会を創出し、相互の事業連携をさらに深める場となっています。

詳しくは、こちらのページをご覧ください。

グループ一体の事業連携で地域経済の活性化へ|株式会社クレディセゾン 様・福岡グループ拠点

【約880平方メートル】コミュニケーションがとりやすいオフィスを構築した株式会社イントラスト 様

入居人数約120名
延べ床面積約880平方メートル
業界・業種金融業

コミュニケーションがとりやすいオフィスを構築するために、リニューアルを実施した同社。「助け合い」「励まし合い」「切磋琢磨しあう」精神を育むことができる、会話がしやすいオフィスを目指しました。そこで芽生えた仲間意識は会社を支え、成長させる大きな力となるでしょう。

詳しくは、こちらのページをご覧ください。

信頼の、まんなかに|株式会社イントラスト様

【約400平方メートル】金融機関のイメージを一新するオフィスデザインを取り入れた横浜銀行 様

入居人数約70名
延べ床面積約400平方メートル
業界・業種金融業

創立100周年記念事業の一環として本店ビルの食堂をリニューアル。従来の金融機関のイメージを覆し、ミーティングスペースを擁する食堂とし、行内・行外に向けた新しい発想やアイディアを生み出す空間となりました。一部の照明には、サーカディアンリズム照明を取り入れています。

詳しくは、こちらのページをご覧ください。

金融機関のイメージを刷新する新たな挑戦|横浜銀行様

金融業・保険業のオフィスリニューアル、オフィス移転のことならプラスにお任せください

金融業・保険業のオフィス設計は、顧客からの信頼感を得るために、厳格なセキュリティ、スムーズな来客動線、法的規制への対応といった複合的な課題を同時にクリアしなければなりません。これらを高次元で両立させてこそ、企業のブランディングや優秀な人材の採用・定着につながるオフィスが実現します。

プラスでは、業界特有のコンプライアンス要件や登録審査を熟知したプロフェッショナルが、最適なレイアウト設計から運用ルールの策定まで一貫してサポートいたします。

「セキュリティと働きやすさを両立させたい」「イメージを刷新して採用力を強化したい」など、オフィスに関するお悩みやご要望がございましたら、ぜひお気軽にプラスへご相談ください。貴社の未来を支えるオフィス環境をご提案いたします。

金融業・保険業のオフィスづくりに関するよくある質問

金融業・保険業のオフィスに共通して求められるレイアウトの特徴は?

金融業・保険業のオフィスレイアウトでは、来客エリアと執務エリアを明確に分離した「情報セキュリティゾーニング」、顧客の信頼感・安心感を高める「エントランス・応接設計」、個別相談や電話対応に対応した「防音・遮音設計」が求められます。特に個人情報・機密情報を扱う業種として、物理的な安全管理措置をオフィス設計に組み込むことが法令上も必要です。

金融業と保険業のオフィスレイアウトの違いは何ですか?

金融業では、金融庁の監督指針にもとづく「施錠可能な専用区画」「他社との回線分離」など規制対応が設計の最優先事項となります。一方、保険業では来客を受け入れる頻度が高く、受付から個室相談室・記名スペースまでの一方向の動線設計と、プライバシーを視覚的にも担保する相談室の設計が重要です。なお、両業種ともに、高い防音性とセキュリティが求められます。

金融業・保険業のオフィスレイアウトで起こりがちな失敗と回避策は?

金融業・保険業のオフィスレイアウトでよくある失敗として、エントランスへの投資を後回しにして採用候補者への訴求力が下がることが挙げられます。エントランスや応接は、来客と採用候補者の両方が訪れるエリアとして優先投資すべきでしょう。また、相談室の防音対策を省略すると顧客の不信感を招きかねず、防音設計は設計初期に壁・床・天井・ドアを一体で計画することが必要です。さらに、規制対応を確認しないままオフィスを選定すると登録審査で問題が生じるため、移転計画の段階から専門家と物理的要件を確認することが欠かせません。

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