
オフィスのリフォームでオフィス空間の改修・修繕を行い、オフィスを元の状態に戻すと、さまざまなメリットが得られます。ただし、そのためには、オフィスのリフォームを行う目的を明確化し、計画的に進めることが大切です。
この記事では、オフィスのリフォームを行うメリットや費用の目安のほか、流れを解説します。成功させるポイントにもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
オフィスのリフォームとは改修・修繕でオフィスを元の状態に戻すこと
オフィスのリフォームとは、オフィス空間の改修・修繕を行い、オフィスを元の状態に戻すことを指します。具体的には、老朽化した内装や設備、機器の修繕を行うことに加え、オフィス什器やパーテーションを新調し、内装デザインを整えることなども含まれます。
オフィスのリフォームは、基本的にオフィス全体ではなく、一部分を対象に行われるのが一般的です。例えば、会議室を改修して利便性を高めたり、照明や空調設備を最適化して快適な環境を整えたりするケースが挙げられます。
リフォームによって、オフィス環境の快適性や機能性向上を図れるでしょう。
リフォームと混同しやすい言葉
オフィスの改修に関連する言葉として、「リノベーション」や「リニューアル」などがあります。これらの言葉はリフォームと混同されやすいため、それぞれの意味を理解しておきましょう。
リノベーション
リノベーションとは、単なる改修・修繕にとどまらず、オフィスの機能性や快適性を向上させ、価値を高めることを目的とした工事を指します。例えば、執務室の間仕切りを撤去して開放的な空間を作ったり、オープンスペースを設けてコミュニケーションの活性化を図ったりすることが挙げられます。
リノベーションでは、オフィスのデザイン性や利便性を向上させるため、内装や設備を大幅に変更するのが一般的です。そのため、リフォームよりも工事規模が大きく、コストや工期も長くなる傾向にあります。
リニューアル
リニューアルとは、オフィス空間全体の改修・修繕のことです。リフォームよりもさらに対象範囲が広く、オフィス全体の設備更新やデザイン変更を伴うことが多くあります。例えば、エントランスや共用スペースの改装、天井や床材の変更、オフィスビルの外装リニューアルなどが該当します。
リニューアルは、オフィス全体の統一感を高めたり、企業の成長やビジョンに合わせて空間を刷新したりする目的があり、「オフィス全体を再設計して新しい価値を生み出す」といった点が特徴です。
ただし、リニューアルはオフィス全体を対象とし、工事期間が比較的長くなる傾向にあります。業務に影響を与える可能性があるため、計画的に進めることが大切です。
オフィスのリフォームを行うメリット
オフィスのリフォームを行うことで、働きやすい環境が整い、企業イメージや従業員のモチベーションの向上につながります。ここでは、具体的なメリットについて見ていきましょう。
働きやすいオフィス環境になる
オフィスのリフォームを行うことで、働きやすい環境を整えられます。例えば、執務スペースのゾーニングを最適化し、集中しやすいエリアとコミュニケーションが取りやすいエリアを分けると、作業効率の向上が期待できます。また、最新の空調設備や照明を導入すれば、快適な業務環境を整えることも可能です。
企業イメージが向上する
オフィスのリフォームによって内装や設備が新しくなれば、企業のイメージ向上につながります。特に来客の多い企業では、エントランスや会議室のデザインをリフォームすることで、訪問者に好印象を与え、信頼感を高められるでしょう
また、オフィスのデザインやインテリアにこだわると、企業のブランドイメージを強化する効果も期待できます。例えば、コーポレートカラーを取り入れた空間づくりは、企業のアイデンティティを視覚的に表現する方法の1つです。
従業員のモチベーションが向上する
従業員のモチベーションが向上することも、オフィスをリフォームするメリットです。例えば、老朽化した内装や設備を新しくすれば、職場環境が快適になり、気持ちよく働けるようになります。また、リフレッシュスペースの設置やカフェ風の休憩スペースを導入することで、従業員同士のコミュニケーションが活発になり、職場全体の一体感も生まれるでしょう。快適なオフィス環境は、従業員の定着率向上にも寄与します。
オフィスのリフォームの主な工事内容
オフィスのリフォームには、間仕切りの設置や電気工事、ネットワーク工事など、さまざまな工事が含まれます。オフィスのリフォームの主な工事内容は、下記のとおりです。
■オフィスのリフォームの主な工事内容

間仕切りの設置
オフィスのリフォームでは、空間を有効活用するために、間仕切りを設置することがあります。例えば、オープンスペースを区切って、個別の作業エリアを確保したり、会議室や応接室を設けたりする際に活用されます。
間仕切りには、固定タイプや可動式のパーテーションタイプなどの種類があるため、業務の性質や使用目的に応じて、適切な間仕切りを選びましょう。
電気工事
オフィスのリフォームでは、照明やコンセントの増設・移設などの電気工事をすることが多くあります。業務効率を高めるためには、快適な照明環境を整えることも大切です。
例えば、長時間のデスクワークが必要なオフィスでは、照度や色温度を調整できるLED照明を導入すると目の負担が軽減され、作業効率の向上が期待できます。また、パソコンやプリンター、その他のOA機器を使用するための電源確保も必要です。コンセントの配置を工夫することで、配線の整理がしやすくなり、安全性も向上します。
ネットワーク工事
オフィスのリフォームでは、LAN配線の最適化やWi-Fi環境の強化といったネットワーク工事を行うこともあります。現代のオフィスにおいて、安定したインターネット環境は欠かせません。
特に、クラウドサービスの活用やテレワーク環境の整備を進める場合、通信速度やセキュリティ対策を考慮したネットワーク設計が重要です。インターネット環境を快適に整えることで、業務の効率化につながるでしょう。
空調設備工事
オフィスのリフォームの工事には、空調設備工事もあります。長時間のデスクワークが多いオフィスでは、温度や湿度の管理が業務効率に影響することもあるため、適切な空調設備の導入も大切です。
エアコンを交換したり、換気設備を強化したりすることで、オフィス全体の空気環境を改善できます。また、省エネ性能の高い空調設備を導入すれば、電気代の節約にもつながるでしょう。
消防設備工事
オフィスの安全性を確保するためには、消防設備工事も重要なポイントです。スプリンクラーや煙感知器、非常灯、避難はしごの設置など、消防法にもとづいた適切な対策を講じる必要があります。
特に、リフォームによって間取りやレイアウトを変更する場合は、消防設備の位置や配線の見直しを求められることがあります。万が一の災害に備えて、設備を適切に整えましょう。
トイレの改修・増設
オフィスのトイレ環境を整えることも、働きやすい職場づくりには欠かせません。トイレのリフォームでは、衛生面の向上に加え、使いやすさを重視した設計が求められます。
例えば、最新の節水型トイレへの交換や手洗いスペースの拡充、バリアフリー対応のトイレ設置などが挙げられます。設備を見直すことで、従業員の満足度向上にもつながるでしょう。
オフィスのリフォームの一般的な費用
オフィスのリフォーム費用の相場は、一般的に坪単価10万~30万円です。ただし、リフォームの規模や工事内容によって大きく異なります。
内装の軽微なリフォームであれば比較的低コストで済みますが、レイアウト変更や設備更新を伴う大規模なリフォームになると、費用は高額になります。また、デザイン性を重視した施工を行ったり、高品質な素材を使用したりする場合も、コストが上がる要因となるでしょう。
リフォームの費用を適正に管理するためには、事前に見積もりをとり、予算を明確にすることが大切です。
オフィスのリフォームの一般的な流れ
オフィスのリフォームを成功させるには、計画的に進めることがポイントになります。ここでは、一般的なリフォームの流れをご紹介します。
1. 目的を定める
まず、オフィスのリフォームを行う目的を明確にすることが重要です。例えば、「従業員の働きやすさを向上させる」「企業イメージを刷新する」「老朽化した設備を更新する」など、リフォームの目的を具体的に設定することで、計画がスムーズに進みます。
目的が明確でないと、工事内容や優先順位が曖昧になり、結果的に期待した効果を得られない可能性があります。そのため、事前に社内で意見をまとめ、リフォームの方向性を固めましょう。
2. リフォームする場所を決める
目的が決まったら、オフィスのどの部分をリフォームするのかを決定します。「執務スペースのレイアウト変更」「会議室の改修」「エントランスのリニューアル」など、必要な工事の範囲を明確にしましょう。
リフォームの範囲を決める際には、現状の問題点を洗い出し、優先順位をつける必要があります。また、従業員の意見を取り入れることで、より実用的なオフィス環境を実現できます。
3. 外部パートナーを決める
リフォームの場所が決まったら、外部パートナーを決定しましょう。施工業者やデザイン会社を選定する際は、複数の企業に相談し、見積もりを比較検討するのがおすすめです。
また、過去の実績や施工事例に加え、料金の透明性、対応スピードも考慮すると、より適切なパートナーを見つけやすくなります。
4. リフォーム内容を固める
外部パートナーと協議しながら、具体的なリフォーム内容を決定します。理想の仕上がりを実現するためにも、内装のデザインや設備の選定、カラーコーディネートなど、要望を細かく伝えましょう。
5. リフォーム工事を行う
リフォームの内容が決まったら、いよいよ工事を開始します。工事期間中は、業務への影響を最小限に抑えるため、業務時間外や休日を活用するなど、スケジュールの調整が必要です。
工事が完了した後は、発注通りの仕上がりになっているか確認しましょう。不具合や修正が必要であれば、施工業者と相談し、適切に対応してもらうことが大切です。
オフィスのリフォームを成功させるポイント
オフィスのリフォームを成功させるためには、いくつかのポイントがあります。オフィスのリフォームをスムーズに進め、満足のいく仕上がりを実現するためのポイントを紹介します。
リフォームの目的を明確化する
オフィスのリフォームを成功させるためには、リフォームによって何を実現したいのか、具体的な目的を定義することがポイントです。目的が明確になれば、内容や方向性が自ずと決まってきます。「業務効率の向上」が目的なら、集中しやすい個人作業スペースの確保や業務動線の短縮といったリフォームが考えられます。「社内コミュニケーションの活性化」が目的なら、オープンスペースを拡充したり、フリーアドレス制を導入したりするといいでしょう。
また、目的を社内で共有すると、関係者全員が同じ方向性を持ってプロジェクトに取り組めるため、結果として満足度の高いリフォームを実現できます。
リフォーム可能な範囲を確認する
リフォームを計画する際には、どこまで工事が可能なのかを事前に確認することも大切です。特に、賃貸オフィスの場合は貸主の許可が必要になるケースも多いため、制限を把握しておく必要があります。
「壁や天井の改修が可能か」「電気・配線工事に制限があるか」など、リフォーム可能な範囲を把握した上で計画を立てれば、予期せぬトラブルを防げます。
予算の範囲内で行う
予算の範囲内で行うことも、オフィスのリフォームを成功させるポイントです。予算オーバーを防ぐためにも、事前に見積もりを取り、費用の内訳をしっかり確認しておきましょう。
オフィスのリフォームに活用できる補助金
オフィスのリフォームでは、補助金を活用できる場合があります。利用できる主な補助金は、下記のとおりです。
<オフィスのリフォームに活用できる補助金>
- ものづくり補助金
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金
これらの補助金は、国や自治体の施策によって適用条件が異なるため、最新情報を確認しながら活用を検討しましょう。
なお、申請には事業計画書の作成や必要書類の提出が必要となるケースも多く、準備に時間と労力がかかります。また、補助金は基本的に後払いとなるため、リフォームの初期費用をすぐにカバーできるわけではありません。さらに、補助金は審査制のため、必ずしも申請が承認されるわけではない点にも注意してください。
オフィスのリフォームを成功させ、ビジネス成長の力に
オフィスのリフォームは、単なる改修や修繕ではなく、企業の成長を支える重要な施策の1つです。働きやすい環境を整えることで、従業員の生産性や企業イメージの向上につながります。リフォームを成功させるためには、目的を明確にし、計画的に進めることが重要です。オフィスのリフォームにより、最適な環境を実現しましょう。
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