フレキシブルオフィスとは?種類やメリットを詳しく解説

働き方の多様化やテレワークの普及に伴い、オフィスのあり方を見直す企業が増えています。従来の賃貸借契約によるオフィスは、コストや契約期間の面で現代のビジネススピードに合わないケースも少なくありません。そこで注目を集めているのが、フレキシブルオフィスです。 この記事では、フレキシブルオフィスの基本的な定義や注目される背景、種類ごとの特徴を詳しく解説します。さらに、導入におけるメリット・デメリット、自社に最適なオフィスの選び方も紹介するので、導入を検討している担当者様はぜひ参考にしてください。
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目次

フレキシブルオフィスの定義と特徴

フレキシブルオフィスとは、コワーキングスペースやシェアオフィスなど、柔軟な契約形態で利用できるオフィスの総称です。

フレキシブルオフィスの特徴は、利用期間や規模を状況に応じて調整できる点です。一般的な賃貸オフィスが長期契約を基本とするのに対し、フレキシブルオフィスは短期利用やプロジェクト単位の契約にも対応しています。

さらに、業務に必要な設備が整っており、契約後すぐに業務を始められる利便性の高さも魅力です。法人はもちろん、スタートアップやフリーランスにも適した柔軟なワークスペースといえます。

<フレキシブルオフィスの特徴>

  • 多様な契約期間:1日単位から月単位、数ヵ月単位まで幅広い契約が可能
  • 短期利用ができる:事業の変動や試験的導入に適している。プランもさまざま
  • 長期契約も可能:安定利用も選択肢に入る
  • 契約形態も自由:法人契約だけでなく、個人契約も可能なケースが多い

フレキシブルオフィスが注目される理由

フレキシブルオフィスが急速に注目を集める背景には、社会やビジネス環境の大きな変化があります。フレキシブルオフィスが注目される、主な理由を見ていきましょう。

■フレキシブルオフィスが注目される理由

フレキシブルオフィスが注目される理由

働き方の多様化

テレワークやハイブリッドワークが普及し、働く場所や時間を従業員が柔軟に選べるようになりました。これにより、企業は従来の固定的な大規模オフィスを維持する必要性が低下し、必要なときに必要な分だけ利用できる効率的なオフィス形態を求めるようになりました。

感染対策と分散型オフィスの急増

新型コロナウイルス感染症の対策としてオフィスの分散化や3密回避が求められ、本社以外のサテライト拠点や、短期契約で迅速に開設・縮小できるオフィスへの需要が急増しました。

コロナ禍を経て、現在でもフレキシブルオフィスの利便性は高く評価され続けています。リモートワークやハイブリッドワークが定着したことで、常に全員が本社に出社する前提の働き方は古いともいえるでしょう。その結果、柔軟に利用できるフレキシブルオフィスは、多様な働き方を支えるインフラとして、企業の新たな選択肢となっています。

人材確保とBCP対策

現代の企業経営では、事業環境の変化に迅速に対応するための俊敏性が求められます。フレキシブルオフィスは、BCP(事業継続計画)対策として災害時の代替拠点を確保したり、多様な働き方の提供による優秀な人材確保につなげたりと、経営上のメリットも大きいことから、戦略的な選択肢として導入が進んでいます

拡大するフレキシブルオフィス市場

国内外でフレキシブルオフィスの市場規模は拡大を続けており、今後もこの流れは続くと予測されています。利用者が増え、企業のワークスタイルの多様化に対応する選択肢のひとつとして定番化するでしょう。

今後は、地方都市や郊外への展開、ITツールとの連携による利用管理の効率化など、新たな価値提供によって、より幅広い層への普及が期待されます。

フレキシブルオフィスの種類と特徴比較

フレキシブルオフィスにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や料金体系、向いている利用シーンが異なります。自社の目的や働き方に合わせて最適なオフィスを選びましょう。

主なフレキシブルオフィスの種類と特徴、メリット、向いている利用者については下記のとおりです。

■主なフレキシブルオフィスの種類と特徴

種類特徴メリット向いている利用者
コワーキングスペースオープンスペースを複数人で共有。イベント開催も多いコストが押さえられる。他社と交流しやすく、人脈形成に有利フリーランス、スタートアップ、個人事業主
シェアオフィス個室や固定デスク+共用スペース。セキュリティ重視プライバシーが確保される。集中しやすく、人材交流も可能中小企業、チーム利用、スタートアップ
レンタルオフィス施錠可能な個室が主な執務空間。設備完備セキュリティ性が高い。すぐに業務開始可能士業、コンサル、サテライトオフィス
サービスオフィス秘書・受付対応などのビジネスサポート付き総務代行可能。業務効率化。ブランド力向上スタートアップ、少人数企業、外資企業
バーチャルオフィス物理スペースなし。住所・電話番号のみ利用コストが押さえられる。登記・信用性が向上。住所非公開も可フリーランス、EC運営者、起業初期
セットアップオフィス賃貸契約だが内装・家具完備。すぐに利用可工事不要で、初期コストが削減できる。デザイン性が高い成長企業、スタートアップ、短期移転先

フレキシブルオフィスのメリット

フレキシブルオフィスでは、一般的なオフィス賃貸借契約で必要な敷金や礼金、内装工事費、什器購入費といった高額な初期費用を大幅に削減できます。月額利用料に光熱費やインターネット通信費が含まれている場合も多く、コスト管理がしやすい点も魅力です。

事業の状況に応じてオフィス規模を柔軟に見直せるため、無駄な賃料の発生を防ぎ、常に最適なコストでオフィスを運用できます。

事業の柔軟性とBCP対策

フレキシブルオフィスでは数ヵ月単位の短期契約が可能なため、事業の拡大、縮小やプロジェクトの立ち上げ、解散に迅速に対応できます。これにより、ビジネスの俊敏性(アジリティ)が高まります。また、本社以外に複数の拠点を分散して持つことで、自然災害やパンデミック発生時に本社機能が停止しても事業を継続できる、有効なBCP対策となるでしょう。

人材確保と働き方改革の推進

多様な働き方を許容するオフィス環境は、従業員エンゲージメントの向上に寄与し、優秀な人材にとっての魅力となります。自宅近くのサテライトオフィスを利用できるようにすれば、従業員の通勤負担が軽減され、生産性向上も期待できるでしょう。

コミュニケーションとコラボレーションの促進

コワーキングスペースやシェアオフィスでは、多様な業種のワーカーが集まります。施設内の交流イベントや日常的なコミュニケーションから新たな情報やアイディアが得られ、ビジネスのコラボレーションに発展する可能性も秘めています

フレキシブルオフィスのデメリット

フレキシブルオフィスには多くのメリットがある一方、フレキシブルオフィスには導入前に理解しておきたいデメリットも存在します。フレキシブルオフィスのデメリットは下記のとおりです。

セキュリティリスク

不特定多数の人が出入りする共有スペースでは、会話からの情報漏洩や、PC画面の覗き見などのショルダーハッキング、ネットワークの脆弱性といったセキュリティリスクが、自社専用オフィスに比べて高まる可能性があります。特に機密情報を扱う際は、個室を利用するなどの対策が不可欠です。

労務・設備管理の複雑化

従業員が本社やサテライトオフィス、自宅など複数の拠点で働くようになると、勤怠管理や業務の進捗状況の把握が難しくなる場合があります。誰がどこで働いているかを管理するための新たなルールやツールが必要になるでしょう。

カスタマイズ性の低さと私物管理

多くの場合、内装やレイアウトはあらかじめ決められており、自社のブランドイメージを反映させたり、独自の設備を持ち込んだりすることは困難です。また、特に共有スペースでは、保管できる私物や書類の量にも制限があります。

施設ごとの品質のばらつき

フレキシブルオフィスは運営会社によって、提供されるサービスの質、通信環境の速度、セキュリティレベルは大きく異なります。料金だけで選んでしまうと、業務に支障が出る可能性もあるため、契約前に必ず内覧し、設備や利用ルールを詳細に確認することが重要です。

フレキシブルオフィスの活用シーン

フレキシブルオフィスは、具体的にどのような場面で効果を発揮するのでしょうか。ここでは、企業の課題解決につながる主な活用シーンを紹介します。

オフィス縮小・移転の効率化

テレワーク導入によりオフィスの空席が目立つようになった企業では、本社オフィスを縮小し、固定費を削減する動きが活発です。

その際、全従業員分の座席を確保する代わりに、必要な分だけフレキシブルオフィスをサテライト拠点として活用します。これにより、コストを最適化しながら、事業の状況に応じた柔軟なオフィス戦略が実現できます。

複数拠点展開とBCP対策

地方や都心部に営業拠点を迅速に開設したい場合にも有効です。自社でオフィスを借りるよりも低コストかつスピーディーに拠点を設けられます。

また、複数の場所にオフィス機能を分散させることは、災害などで本社が機能不全に陥った際に事業を継続するためのBCP対策としても非常に効果的です。

一時避難場所としての活用

本社のリノベーションや移転工事を行う際、数ヵ月単位で利用できる仮オフィスとしても最適です。

また、災害の発生に備えて、緊急時に業務を行うための代替オフィスとしてあらかじめ契約する企業も増えています。従業員の安全を確保しつつ、事業の停滞を最小限に抑えることができます。

ワーケーションや多様な働き方の支援

全国に拠点を持つフレキシブルオフィスと法人契約することで、従業員は出張先や旅先でも質の高いワークスペースを確保できます

こうしたワーケーション制度の充実は、従業員の満足度向上や生産性アップにつながり、魅力的な福利厚生として人材確保の面でも有利に働きます。

自社に合ったフレキシブルオフィスの選び方と導入成功のポイント

自社に最適なフレキシブルオフィスを選び、導入を成功させるための重要なポイントを5つ紹介します。

<フレキシブルオフィスの選び方と導入成功のポイント>

  1. 業種・働き方に合った種類の選定
  2. 費用とサービス内容の比較検討
  3. 立地や交通利便性の考慮
  4. セキュリティ対策の確認と徹底
  5. 導入後の運用とフォローアップ

ポイント1. 業種・働き方に合った種類の選定

まず「何のために導入するのか」という目的を明確にしましょう。例えば、交流や協業を求めるならコワーキングスペース、士業などで機密性を重視するならレンタルオフィスといったように、自社の業種や働き方に合った種類を選ぶことが大切です。

ポイント2. 費用とサービス内容の比較検討

月額料金だけでなく、初期費用や法人登記などのオプション料金、解約条件まで含めたトータルコストで比較検討することが重要です。必要なサービスが基本料金に含まれているかを確認し、複数の施設から見積もりを取りましょう。

ポイント3. 立地や交通利便性の考慮

従業員の通勤しやすさや、主要な取引先へのアクセスも重要な選定基準です。サテライトオフィスとして利用する場合は、従業員の居住エリアを考慮すると利用率が高まり、満足度の向上につながります。

ポイント4. セキュリティ対策の確認と徹底

内覧時には、防犯カメラや入退室管理システムといった物理的なセキュリティと、Wi-Fiの暗号化方式などネットワークの安全性を必ず確認しましょう。また、施設側の対策だけに頼らず、自社でも運用ルールを定めて従業員に徹底することが不可欠です。

ポイント5. 導入後の運用とフォローアップ

導入後も定期的に利用状況を分析し、より自社に合ったプランや拠点がないかを見直すと、常に最適なオフィス環境を維持できます。契約前に、トラブル発生時のサポート体制を確認することも忘れないようにしましょう。

フレキシブルオフィスはオフィスのあり方を変えるひとつの選択肢

オフィスづくりのプロ・プラスでは、丁寧なヒアリングで貴社の課題を明確にし、フレキシブルオフィスをはじめ、オフィスづくりをトータルでサポートしています。

「初期費用を抑えたい」「社員の働きやすさを重視したい」「将来的な拡張も見据えて柔軟に対応したい」といった多様なニーズに対応し、ビジネスの成長を加速させるオフィス環境をご提案します。

フレキシブルオフィスは単なる場所ではなく、企業の働き方や組織文化、そして成長戦略そのものに影響を与える重要な要素です。これまでの常識にとらわれず、未来志向のオフィスづくりを実現するために、まずはプラスにお気軽にご相談ください

フレキシブルオフィスに関するよくある質問

フレキシブルオフィスとは?

フレキシブルオフィスとは、従来の長期契約型オフィスとは異なり、利用期間や規模を柔軟に変更できるオフィスの総称です。月単位などの短期契約が可能で、事業の成長に合わせてスペースを拡張することもできます。家具やインターネット環境も整備されており、初期費用を抑えて迅速に事業を開始できる点が魅力です。

コワーキングスペースとレンタルオフィスの主な違いは?

コワーキングスペースとレンタルオフィスの大きな違いは、プライバシーとセキュリティのレベルです。コワーキングスペースはオープンな空間を共有し、利用者同士の交流を促す設計になっています。一方、レンタルオフィスは施錠できる独立した個室が提供されるため、機密性の高い業務や集中したい場合に適しているといえるでしょう。

フレキシブルオフィスを選ぶ際に最も重要なポイントは?

フレキシブルオフィスを選ぶ際に最も重要なのは、導入する目的を明確にすることです。コスト削減、多様な働き方の実現、BCP対策など、自社がオフィスに何を求めるのかを最初に決めましょう。目的がはっきりすれば、オフィスの種類、立地、必要なサービスがおのずと絞られ、最適な選択が可能になります。

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