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一般的にビジネスとは、継続性がある業務(ルーティンワーク)と一過性の業務(プロジェクト)の2つに大別されます。例えばオフィス移転は一過性の業務ですが、継続性のある業務とまったく別かといえば、そうではありません。なぜなら移転後のレイアウトやデザインが上手く機能しなければ、ルーティンワークの効率も落ちてしまうからです。
プロジェクトマネジメント(PM)とは、この一過性の業務を滞りなく遂行し、継続性のある業務を支障なくするためにコントロールしていくことです。そこで今回は、プロジェクトマネジメントの基礎や手法についてご紹介します。

プロジェクトマネジメントが求められる理由とは?

プロジェクトとは、限られた期間のなかで人的、物的、コストという限られた資源と制約のもと、独自のサービスや成果物を生み出すものです。これを先ほどご紹介したオフィス移転の例で考えてみましょう。
計画開始から移転終了までの期間内に、一般業務をこなしながら限られた人数や予算のなか、新たな場所で効率的に働けるレイアウトをつくり出すということになります。 これだけを見るとそれほど難しいことではないと思われる方もいるでしょう。しかしプロジェクトという一過性の業務は、継続性のある業務に比べ予期せぬことが起こる場合も珍しくありません。その際、各自がバラバラに対応しては、期間内に業務を円滑に進めることは困難です。

プロジェクトが大きくなるにつれ、大小のトラブルが発生しやすくなり、スケジュール通りに進まなくなるリスクは高まります。プロジェクトマネジメントとは、そうしたリスクを最小限に抑えるべくさまざまな状況を勘案したうえで、人、モノ、予算、スケジュールの管理をします。

プロジェクトのたびにマネジメントを行えば、コストがかかりすぎると考えられるかもしれません。しかし、実際はマネジメントをしないことでトラブルが生じた際にかかるコストの方がはるかに大きいのです。プロジェクト成功のためにプロジェクトマネジメントを行うことは、もはや当たり前のことといっても良いほど多くの企業で求められるようになっています。

オフィス移転スケジュールとタスクリスト

プロジェクトマネジメントのベースとなるPMBOKとは?

実際にプロジェクトマネジメントを行うとなった際、必ず知っておきたいのが、プロジェクトマネジメントのノウハウや手法を体系立ててまとめた「PMBOK」です。PMBOKとは、Project Management Body of Knowledgeの略称で、1987年にアメリカの非営利団体PMIが発表したことから広まりました。今ではプロジェクトマネジメントの標準として世界中で浸透しています。
PMBOKでは、プロジェクトマネジメントを「立上げ」「計画」「遂行」「コントロール」「終結」のプロセスに分けて考えます。それぞれのプロセスで行うことは次の通りです。

立上げ

プロジェクトを開始する必要性を明確化し、組織としてプロジェクトに着手することを宣言する

計画

要求に対し、満足させるための実行可能な作業の仕組みを確立し、その仕組を維持させる

遂行

人、モノ、そのほかの資源を活用し、計画を実行に移す

コントロール

進捗状況の監視、測定、予定と実績の相違点の検出を行ったうえで、是正措置を実行する

集結

プロジェクトの結果を文書化し、顧客による検収の確認をしたら、プロジェクト完了の手続きを行う

PMBOKの重要なポイントは、ゴールを決めそれに向かってコントロールするだけではなく、ゴールへ向かうためのプロセスを重視し、それぞれの段階ごとに管理していく点です。またプロジェクトマネジメントを体系化したことで、何を重視していくかが明確になりました。これにより参加メンバーの意識も統一され、無駄を省いたプロジェクトを効率的に行えるようになったのです。

プロジェクトマネジメント実現のための代表的な手法とツール

プロジェクトマネジメントを成功させるうえで活用される手法はいくつかありますが、そのなかでも代表的なものが「CCPM」「ウォーターフォール」「アジャイル」です。これらの手法は具体的には次のようなものです。

CCPM

CPMとはCritical Chain Project Managementの略称で、プロジェクト業務の作業量や予算などをぎりぎりで抑え、作業工程終了期間内に余裕を残しておくものです。業務ごとに予め余裕を持ったスケジュールを立てると、トラブルが発生した際に期間内にプロジェクトを終えることができなくなります。CCPMはそのリスクを最小限に抑える手法です。

ウォーターフォール

ウォーターフォールとは日本語で「滝」を表す単語。文字通り水が上から下へ流れるように時系列順に作業量を設定し、順番に進めていく手法です。特に長期間に及ぶプロジェクトを行う際には、全体の進捗状況がわかりやすいため多く使われています。

アジャイル

「素早い」という意味を持つアジャイル。この手法は、一連の工程を1週間~1カ月単位の短い期間でプロジェクトを区切って管理します。1つの工程ごとに業務の分担、計画の設定を行うため、途中での仕様変更にも柔軟な対応が可能です。

次に、プロジェクトマネジメントを行う際によく使われるツールをご紹介します。

ガントチャート

プロジェクトの進捗やそれぞれのタスクの開始、終了、継続時間を帯状グラフで表したもので、それぞれの状況が一目でわかるようになっています。

PERT

プロジェクトのタスクを処理していく順序や完了時間などをフローチャートで表したものです。それぞれのタスクの関連性を把握しやすいため、比較的大規模・複雑なプロジェクトで効果を発揮します。

マインドマップ

プロジェクトの目的、ゴールを中心に、そこから放射状に目的、ゴールへたどり着くために必要なことを記述していくツールです。マインドマップはガントチャートやPERTのような工程、時間管理をするものとは異なり、行わなくてはならない業務やタスクを整理するうえで非常に有効です。

これらの手法やツールを駆使してプロジェクトマネジメントを成功させるには、経験も重要ですが、それ以上にプロジェクトマネジメントを理解することが求められます。2018年現在、IPA(情報処理推進機構)のプロジェクトマネージャ試験、PMI日本支部のPMP試験などがあり、プロジェクトマネジメントの普及に力を入れています。今後、自社内でプロジェクトを行う際、この資格を持っているメンバーがいるといないでは、成功の確率も大きく変わることになるでしょう。

成功のカギはメンバーのスキルの見極め

一口にプロジェクトマネジメントといっても、その手法や扱うツールはさまざまです。規模の大小、メンバーのスキルなどによって最適な手法とツールを選択しなければ、マネジメントを成功に導くことはできません。そしてそのためには、手法やツールを知ること、過去の成功事例から学ぶこと、そしてメンバーのスキルを見極め最適なポジションを与えることが重要です。
知識や経験はもちろん重。しかしそれを実際に実行するメンバーのスキルが伴っていなければ、プロジェクトの成功確率は低くなります。プロジェクトマネジメントを成功させるには、知識と経験に加え、リーダーシップを発揮できる環境づくりも欠かせません。そういった意味では、企業として社員にプロジェクトマネジメント試験を受験させることが、リーダーシップを持った人物を育てることにつながるでしょう。

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