【職場の居心地WEB調査】第26回【周囲から「自律的に離れられるオフィス環境」が必要だと感じる人 73.8%】

「これってうちの会社だけ?」「他社は何か工夫してる?」
他社の状況を知れば、自社の改善ポイントが見えてくる。
このコーナーでは、『職場の居心地』に関連する身近なテーマでウェブ調査を行い、
その結果をレポートしていきます。

コロナ禍で対面コミュニケーションが制限され、「人と会えない働きづらさ」を経験した人は多いはずです。だからこそ今、オフィスは「コミュニケーションの場」としての価値が改めて見直されています。
ただ、その一方で、新たな課題も生まれているのかもしれません。
「話しかけられて、集中していた作業が止まってしまう」
「雑談を切り上げたいのに、タイミングがつかめない」
話しやすさや周囲との繋がりやすさのみを追求した環境が、そのまま働きやすさにつながるとは限らないようです。
今回は、オフィス勤務者500名を対象に、「繋がる」と「離れる」のバランスについて調査しました。
【調査結果サマリー】
- 組織のシナジーを高めるためにオフィスで周囲とのつながりから「自律的に離れられる環境」が必要だと感じる人は73.8%に上り、多くの働く人が、状況に応じて周囲との距離を調整できる環境を求めていることがうかがえた。
- 業務中のパフォーマンスを下げる要因としては、「不意な話しかけ・中断」が36.4%で最多となったほか、「背後の人通りや滞在」「作業や思考プロセスの覗き見」「周囲の会話や通話音」など、周囲の視線や気配、音に関わる要因も挙げられた。
- 一方、周囲との距離をコントロールできる環境が「整っていない」と感じる人は42.0%に上り、「十分に整っている」と回答した人はわずか10.2%にとどまった。「繋がる」ことを促すだけでなく、必要なときには自分の意思で「離れる」ことも選べる環境づくりが、これからのオフィスには重要といえそうである。
[アンケート実施情報]
方法:インターネット調査
回収日: 2026年3月16日
対象:全国の20〜65 歳の就業者のうち、デスクワークを伴う業務に従事し、30 人以上規模の企業に勤務するビジネスワーカー
サンプル数:500人
Q1.組織のシナジーを高めるために、周囲から「自律的に離れられるオフィス環境」は必要だと思いますか?

前述の通り、近年はコミュニケーションの活性化を目的としたオフィスづくりが重視されています。
こうした流れが強まる中、むしろ組織のシナジーを高めるためには、周囲との過度な繋がりからあえて「自律的に離れられる環境」を持つことが必要だと思うか尋ねました。
その結果、「そう思う」33.0%、「ややそう思う」40.8%と、合わせて73.8%が共感を示しました。
では、周囲との過度な繋がりはどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
次に、パフォーマンスを下げている要因を聞きました。
Q2. パフォーマンスを下げる要因は?

業務中にパフォーマンスを下げる要因を尋ねたところ、最も多かったのは「不意な話しかけ、中断」で36.4%。「背後の人通りや滞在」(18.6%)、「作業や思考プロセスの覗き見」(18.2%)、「周囲の会話や通話音」(18.0%)といった、視線や気配、音に関する要因も2割近くに上りました。
気軽に声をかけ合える環境であっても、タイミングによっては、そのコミュニケーションが集中や思考を中断する要因になっていることがうかがえます。

実際、30分程度で終わるはずの作業が、話しかけによって中断され1時間以上かかってしまう――そんな経験を「月に数回以上」しているという人は47.8%にのぼります。(同アンケート調査結果より)
1回あたりは些細な出来事でも、積み重なることで、仕事の時間や集中力への影響も大きくなっていきそうです。
では、そうした「話しかけ・中断」が起きやすい環境を、働く人自身はどの程度コントロールできているのでしょうか。最後に、周囲との距離を調整できる環境があるかについて聞きました。
Q3.自分で「距離」をコントロールできる環境は?

仕事の状況に合わせて、視線や気配を遮る、作業と会話を切り替える、不要な干渉を受けないなど、周囲との距離を自分でコントロールできる環境が整っているかを尋ねたところ、「どちらかというと整っていない」30.0%、「全く整っていない」12.0%と、合わせて42.0%が「整っていない」と回答しました。
一方で、「十分に整っている」と答えた人はわずか10.2%にとどまりました。
Q1でみたように周囲から「自律的に離れられる環境の必要性」への共感が73.8%に上り「離れる」ことへのニーズがうかがえる一方、それを自由に選べる環境はまだ十分とはいえないという現状が見えてきます。
まとめ
働く人にとって「繋がり」は、良いものにも、疲弊するものにもなり得ます。
今回の調査では、73.8%が周囲から「自律的に離れられるオフィス環境」の必要性を感じていることがわかりました。
そして、その背景の一つとして、「不意な話しかけ・中断」がパフォーマンスを下げる要因になっていることも見えてきました。
さらに、自分で距離をコントロールできる環境が「整っていない」と感じる人も42.0%に上ります。「離れる必要性」は感じていても、「離れることを選べる環境」はまだ十分に整っていない、そんな職場の現状がうかがえます。
大切なのは、繋がりの量を増やすことだけではなく、
状況に応じて「離れる」ことを自分で選べる環境をつくることです。
例えば、周囲の視線を遮るデスクトップパネルやパネル付きソファ、
集中して作業できる個人ブース、周囲の音や会話が気になりにくい吸音パネルなど、
必要なときに周囲との距離をとれる選択肢を用意すること。
さらに、集中するエリアとコミュニケーションをとるエリアを分けるゾーニングなど、
空間全体から「繋がる」と「離れる」を選べる環境を整えることも大切です。
こうした環境があることで、一人で集中する時間と、人と気軽に話す時間を自分で切り替えやすくなります。それが結果として、気軽な雑談や活発な議論など、シナジーを生む「繋がり」を育てることにつながるのではないでしょうか。
【調査結果の引用について】
「プラス『職場の居心地WEB調査』より引用」などと明記いただければ貴社媒体や社内資料等に引用いただいて構いません。
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今回のテーマは……
【周囲から「自律的に離れられるオフィス環境」が
必要だと感じる人 73.8% 】
職場での「繋がりすぎ」が、 働き方に与える影響について考えます。