Office rent

移転先を探すポイント

オフィス移転や新規事業の立ち上げは、なにかとコストがかさむもの。
新しくオフィスを探すうえで、コストを削減するためのポイントについて説明しましょう。

しっかり確認してコストを削減!賃貸事務所を契約するときのポイント

オフィス移転や事業の新規立ち上げはなにかとコストがかさむもの。
新しく賃貸オフィスを探す際、コストを抑えるために知っておきたいポイントを説明しましょう。

仲介手数料を節約するなら「元付け業者」に依頼を

一般的に、物件を探す際は不動産会社に依頼することになります。
ただ、そのために発生する仲介手数料はおよそ賃料の0.5〜1カ月ほど。
オフィスの広さや場所にもよりますが、決して少なくない額であることは容易に想像できるのではないでしょうか。

ここで覚えておきたいのは、仲介手数料はどのような物件にも必ず発生するわけではないということ。
一般的に、不動産業者にはビルのオーナーから直接借主を探すことを依頼されている「元付け業者」と、元付け業者にお客を紹介することを主な業務にしている「客付け業者」の2つに分かれています。

元付け業者の場合、仲介手数料はオーナーから受け取るため、基本的に借主側は手数料を払う必要がありません。
また、元付け業者はよりビルのオーナーに近い立場のため、物件の状態や周辺環境、空き状況にも詳しく、入居後にもしトラブルがあっても責任をもって対応してくれるという違いがあります。

こうしてみると数多くのメリットがある元付け業者。コストをおさえるためにもぜひ積極的に活用したいところですが、ある物件に対してどの業者が元付けかはホームページなどでは公開されていません。

そのため、実際に物件を見に行って「テナント入居者募集」などの看板を探したり(ここに書かれている業者は元付けの可能性が高いとされています)、地道にビルのオーナーを探し、そこから元付け業者を確認したりと、手間がかかる点に注意する必要があります。

また、元付け業者よりも客付け業者の方が紹介できる物件の数が多いなど、それぞれメリット・デメリットがあるので、物件の探し方に合わせてうまく使い分けるようにするといいでしょう。

敷金・礼金・賃料は必ず交渉すること

賃貸物件を借りるうえで必ず発生する敷金(保証金)や礼金(権利金)も初期コストに大きくはね返ってきます。
敷金は賃料の6〜12カ月分、礼金は賃料の1〜2カ月分が一般的な相場とされており、実際に計算してみるとかなりの額になることがわかります。

ただ、この金額は必ずしも全て発生するわけではなく、物件によっては減額できることもあるので、まずはダメ元でも交渉してみることが大切です。

特に、借主が見つからずしばらく空室になっているような物件では、最初の数カ月の賃料を無料にしてもらえる(フリーレント)こともめずらしくありません。ビルのオーナーからすれば、どうせ空き室になっているのであれば最初の数カ月を無料にしたところで収入は変わらず、むしろフリーレント期間終了後の賃貸収入を確実にできるというメリットがあるのです。逆にいえば、しばらく借主が見つかっていない物件はこうした交渉に応じやすいともいえます。

初期コストをおさえたいのであれば、人気エリアをあえて避け、こうした物件を探してみるのもひとつの方法といえるかもしれません。

なにより大切なポイントは、余裕を持って移転計画を立てること

オフィス移転や事業立ち上げの初期費用を削減するときくと、内装工事を省略したり、デスクや収納などオフィス家具を簡易的なものにしたりする方法を考える人もいるかもしれません。

これらの方法は確かに一時的なコスト削減にはなるかもしれませんが、理想のオフィスを実現できなかったり、設備が不十分なものになったりする可能性があるため、あまりおすすめはできません。オフィスはただの箱ではなく、社員が仕事に集中して最大のパフォーマンスを発揮できる場であるべきです。

また、最近はオフィスの内装にこだわることで、対外的なブランディング効果があることも指摘されています。
移転計画はあまり妥協ばかりを重ねるのではなく、時間的な余裕を持ってじっくりと計画を進めたいものです。そうすることで、入居工事や移転費用などの見積もりもしっかりと確認する時間がとれますし、オフィスの内装や家具をしっかりと吟味することもできるでしょう。

特に、入居工事や移転費用などの見積もりを入手するのはとても時間がかかるもの。せっかく見積もりをとっても検討する時間がなく、そのまま工事を進めてしまうのではコストダウンにもなりません。

早め早めに準備し、理想とするオフィスづくりにじっくりと取り組むのが、結果として一番のコスト削減になるのかもしれません。

理想のオフィスを実現し、従業員のパフォーマンスアップを

初期費用をおさえるためには、仲介手数料や敷金、礼金など契約金をカットすることはもちろん大切なこと。しかし、最初から従業員の生産性をアップさせられるような、居心地の良さや働きやすい環境づくりなどにこだわり、余裕を持って移転計画を進めることも重要です。そうすることでコストもカットしつつ、理想のオフィス実現にもつながるのではないでしょうか。ムダなコスト発生をおさえて、かしこくオフィスづくりに取り組んでみましょう。