リモートワークを行っていくうえで生まれる課題を解消する方法

リモートワークを行っていくうえで生まれる課題を解消する方法

テレワーク・在宅勤務

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響もあり、多くの企業でリモートワークの導入が進んでいます。しかし、リモートワークを導入したからこそ見えてくる課題も多いのではないでしょうか? 社内の課題、ツールの課題などさまざまなものがありますが、いずれにしても「ほとんどの企業でリモートワークの導入に成功している」とはいえないのが現状です。そこで、今回は、リモートワークを進めていくうえで生まれる課題とその原因を見たうえで、より良いリモートワークの実現を果たすためのポイントをお伝えします。

※この記事は2020年6月1日公開した内容です。新型コロナウイルス等の時事的な問題を扱っていますが、執筆時の状況となります。

リモートワークを導入している企業の現状

新型コロナウイルスの影響で急遽リモートワークを導入した企業は少なくありません。2020年3~4月に厚生労働省とLINE株式会社が行った「新型コロナ対策のための全国調査」の結果を見てみましょう。第1回調査(3月31日~4月1日)では全国でテレワーク(リモートワーク)を導入している企業は13.99%でした。しかし、4月12日~13日に行われた第3回調査では26.83%とわずか12日間でほぼ倍増しています。

次に、第3回調査の時点で導入率が20%以上の都道府県の第1回と第3回を比較した時の数字の変化を見てみましょう。

  1. 東京(30.71%→51.88%)
  2. 神奈川(24.05%→43.95%)
  3. 千葉(18.24%→36.03%)
  4. 埼玉(16.18%→32.64%)
  5. 大阪(8.66%→26.28%)
  6. 兵庫(7.75%→22.69%)
  7. 福岡(6.2%→20.22%)

東京、神奈川も大きく増加していますが、3位の千葉から7位の福岡は導入率が約2~3倍増加という結果が出ています。それ以外の地域を見ると、全体的に導入率は増加しているものの多くが1桁にとどまるという結果で、地域による格差はかなり大きいといえるでしょう。

リモートワークを進めていくうえでの課題点

少しずつとはいえ、リモートワークを導入している企業が増加しているなか、いったんは導入したものの、なかなかうまく機能していないといったケースも多いようです。なぜ、うまく機能しないのか? その主な理由として次の3点が考えられます。

  1. オンラインだけだとコミュニケーションがうまく取れなくなる

    「ちょっと相談があるんだけど・・・」と、オフィスに居れば気軽に相談できたことも、リモートワークでは難しくなりました。そもそも、オフィスで円滑なコミュニケーションがとれていない職場では、オンラインできても円滑なコミュニケーションはとれないでしょう。また、オフィスで多くの社員に囲まれて業務を行っていた人が急に自宅で一人きりになると、コミュニケーション不足が原因でストレスをためてしまうなどコミュニケーションによる課題は非常に多岐に渡ります。

  2. ペーパーレス化が進んでいないため、出社しなくてはならなくなる

    多くの企業ではまだ、ペーパーレス化が進んでいないため、書類の確認、資料の閲覧などをする際、わざわざ出社する必要があります。また、電子印鑑の導入率も低く、印鑑を押すだけのために出社というケースも少なくありません。


  3. 自宅でのリモート環境が整っていない

    自宅にパソコンやタブレットがない、あるいは、あったとしてもWi-Fi環境や執務部屋が整っていないといったことが原因で業務が滞ってしまうこともあります。

リモートワークの課題点を解消するための方法とは

本来であればリモートワークの導入は、会社の一大プロジェクトです。就業規則の改訂・セキュリティ教育の徹底・通信環境の整備など、事前に多くの準備を要します。しかし、今回の新型コロナウイルス関連の対策については、どの企業も十分な準備時間を設けることができず、そのことが、リモートワークがうまく機能しない原因のひとつだといえるでしょう。こうした状況下でもリモートワークができるだけうまく進むようにするために、前項で挙げたリモートワークの課題点を解消するための方法を紹介します。

  1. Web会議やグループウエアなどのツールを活用し、コミュニケーションを取る

    リモートワークを行う際はコミュニケーションツールを最大限に活用しましょう。例えば、週に一度はオンライン会議で雑談の時間を設けたり、ビデオ通話で相手の表情をみたりすることでコミュニケーションが円滑になります。今後オフィスに集まった際は、チーム内でコミュニケーションを取りやすくできる雰囲気を醸成し、オンラインになったときにスムーズに業務が進むよう工夫が必要です。



  2. ペーパーレス化や電子印鑑の導入など、出社しなくてもよい体制を整える

    ペーパーレス化を一気に進めることは簡単ではありませんが、電子印鑑とあわせ、一部の部署でトライアルしてみると導入がスムーズです。例えば、紙の書類が少ないシステム系や企画系の部署で先行して導入し、難易度の高い経理や総務などを最後の導入に位置づけるなど工夫をしましょう。最初から全部署でとは考えず、できるところから導入し、少しずつ拡大していくようにします。


  3. 助成金を使うなどしてパソコン、モニターなどの支給を行う

    現在、企業にはさまざまな助成金が用意されていますが、そのなかでリモートワークを進めていくための資金を助成する制度を活用します。例えば、東京都では東京しごと財団の雇用環境整備課で事業継続緊急対策(テレワーク)助成金があり、パソコンやVPNルーターの購入、機器の設定などで最大250万円の助成を受けられます。

リモートワークとオフィス内業務のバランスを取ることがポイント

前出の厚生労働省とLINE株式会社の調査結果を見てもわかるように、今回の緊急事態宣言を受けて、リモートワークを導入する企業は一部の地域では大幅に増加しています。しかし、多くの地域で導入率がまだ1桁にとどまっていました。もちろん、オフィスにいることが当たり前であった働き方を急激に変えるのは難しいというのは、ある意味、当然だともいえます。

リモートワークを成功させるポイントは、「0か100か」で考えるのをやめることです。リモートワークとオフィス内業務のバランスを取りつつ、まずは週2~3回の頻度でリモートワークを取り入れていき、少しずつ、浸透させていくようにします。その流れのなかでペーパーレス化やツールの導入を進めていき、コミュニケーションの基盤をつくっていくことが、リモートワークの成功につながっていくのです。